探検発見 : 日本郵船歴史博物館

所在地 : 神奈川県横浜市中区海岸通 3-9
訪問日 : 2004-02-01
URL : http://www.nykline.co.jp/rekishi/


悠久の伝統と前衛的時代感覚が共存する巨大都市、横浜。
この街の一角に、我が国の海運業界最古参にして最大手のひとつ、日本郵船株式会社のビルがあります。

「横浜郵船ビル」として知られる日本郵船横浜支店の建物は、1936 (昭和 11) 年に建造され、ギリシア・コリント式の 16 本の柱を持つ印象的なその姿は、横浜の歴史的建造物のひとつとして紹介される機会も多いところです。

1885 (明治 18) 年以来の歴史を誇る日本郵船は、1993 年より「日本郵船歴史資料館」を横浜市内に開設していましたが、2003 年、開設 10 周年を機に歴史ある郵船ビル内に移転、「日本郵船歴史博物館」としてリニューアルオープンしました。
開国から世界第三の海運国に至るまでの苦難の道、豪華客船の栄光の時代、そして戦争による壊滅と復興……近代日本と海運の航跡を、日本郵船の社史と絡めつつ紹介しています。


横浜郵船ビル横浜郵船ビル。日本郵船横浜支店や郵船トラベル等の事務所が入居する。
歴史博物館は 1F エントランスホール内に開設されている。
館内は撮影禁止なので、特徴的な建物外観のみでご勘弁を。中は見てのお楽しみ。
(2004-02-01)


企業博物館である以上、日本郵船という会社の視点からの紹介となるのは止むを得ないところですが、「会社自慢」のような押し付けがましさはあまり感じられず、日本と海運の歴史を素直に学ぶことができます。
展示内容もナレーション付映像やタッチパネルが多用され、見る者を飽きさせない工夫がなされています。

ところで、日本郵船といえば、日本人に馴染み深い「カレーライスに福神漬」という組合せは日本郵船の船が始めたというのが定説で、公式 Web サイトでも述べられていますが、展示では何故かこの件について触れられていません。
贅沢の極みのような豪華客船の世界ばかりでなく、斯様な庶民受けしそうなネタを取り上げてもいいと思うのですが。

公共交通機関によるアクセスは、2004 年 2 月 1 日に開業した横浜高速鉄道みなとみらい線の馬車道駅が最寄り駅となります。
6 番出口を出て、横浜第二合同庁舎を左手に見つつ新港埠頭方面に歩を進め、「海岸通 4」三叉路を右折して海岸通を少し進むと、左手にギリシア様式の郵船ビルが見えてきます。馬車道駅から徒歩 2 分也。
公式 Web サイトにある優待券を事前にプリントアウトして持参すると、大人 500JPY の入館料が 300JPY に割り引かれます。

なお、郵船ビルまで来たついでに新港埠頭まで足を伸ばせば、著名観光スポットである赤レンガ倉庫のほか、海上保安庁・横浜海上防災基地があります。
運が良ければ、海保最大最強の巡視船「しきしま」(PLH31) が見られるかも知れません。